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カラーグレーディング

一眼レフによる「映画のような」見た目の映像が多くなる以前より、ブーケアンドリールは映像の「質感」にこだわってきました。「どうしたらフィルムの質感に近づけることができるんだろう?」そんな事を10年も考えています。

「質感」で重要な要素を占めるものに「色」があります。バラエティ番組で見る映像とハリウッド映画って色が全然違いますよね?それって、ストーリーをより深く、印象的にするために色を慎重にコントロールしているんです。

少し専門的ですが、うちがどのようにこだわりの色を作り出しているか、ご説明させて頂きますね。

現在、メインで使用しているカメラはCanonのC100 Mark2というシネマカメラです。映画でも使用されるカメラの入り口的な存在でしょうか。このカメラは通常の仕上がりの絵ではなく、撮影時に非常にダイナミックレンジの広い映像を撮ることができます。この何がいいかというと、簡単に言うと暗いところはただ真っ黒に映るのではなく、グラデーション的に変化する明るさを保って記録できるということ。空が「白飛び」しちゃう事ってありますよね?その白(明るい部分)も暗いところと同じくディテールを保ちます。

こちらの説明が詳しいです。
キヤノン:CANON LOG TECHNICAL SITE

このダイナミックレンジの広い映像は、そのまま見るとなんだか「のっぺりとした色の薄い」映像に見えます。これを撮影後にPCでカラーグレーディングと呼ばれる色の調整を行います。この処理により、より表現の幅が広い、まさにフィルムのような色の映像が生まれます。この作業は写真の現像ともよく例えられますね。

このカラーグレーディングもただ変換すれば良いというわけではなく、その映像に合わせて細かなパラメーターを一つづつ決めていきます。これはまるで料理人が素材に様々なスパイスを加ていくような雰囲気です。このパラメータのレシピは制作者の個性とも言えますので、あまり口に出す人は少ないですね。「秘密のレシピ」というような感じです。

うちでは全ての撮影素材にこうしてカラーグレーディングを行います。ですので、撮影したそのままの色の映像というものは1カットもありません。全て、そのシーンやストーリー、お二人の個性に合わせて色を調合していきます。

以下は以前サンプルに掲載させていただいた映像の「カラーグレーディング前後」をわかりやすく示したものです。こうしてこだわりの映像は丁寧に一つづつ作られています。

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