以前からブログにも書いていますが、ご結婚式のドキュメンタリー撮影(記録撮影)の時にはうちでは実際に事前に顔を合わせてのお打ち合わせは必須ではありません。というのも、お二人のより自然なお姿を知りたいから。そして、当日には「演技」をして欲しくないから。
お二人のお人柄や性格などは、ある程度を知るのみとして、撮影をしていくうちにその個性が滲み出ていく感じがリアルなんです。情報を知ってしまうと、逆に撮影者の主観が入ってしまい、それが当日のお二人らしさを感じる邪魔になってしまう事もあります。
いつも気をつけていることは「主観に囚われないこと」。
例えば、実際にお会いしてお話ししていると新郎様はとてもクールで大人な感じ。新婦様を引っ張っている感じがしますが、ご結婚式当日になってみると、結構ご友人方からツッコミを入れられている新郎。え?新郎さんって結構、そんないじられキャラなんだと。撮影者と事前にお話しできる機会って1回あればいいくらいですよね?そこでどれくらい打ち解けてわかりあえるか?も重要ですが、やっぱり「お客様」という立場は変わらず、本物ご友人との関係にはなかなかなれるものではありません。(そこで「なれる!」と思っちゃうのは傲慢かと)
やはりそこは明確な線を理解して、少しづつ、少しづつ。お二人を知る多くの方々に囲まれている瞬間の、リアルなそのお姿を見ながら、本当のお人柄を理解していくしかないのだと思い至りました。やはり深くを知るには時間が必要です。そうドキュメンタリー撮影(記録撮影)では思っています。
一方、最近力を入れている「前撮り」をベースとするオープニングなどの映像制作ですが、こちらは逆に事前のおうち合わせをとても大切にしています。というよりも、お二人にを知るにはそれしか方法がありませんからね。そして、こちらは「お二人からゲストの皆様へのプレゼント」という意味が強い映像ということもあります。お二人の目的、思い、表現したいことをじっくりとお話し合いしながら突き詰めていきます。ただ、ここでもそれで全て知っているという思い込みはしません。どんなにじっくりお話ししても、撮影当日に思いもよらないお二人のお姿を知るってこともありますから。
お二人は俳優ではない。演出を付ける事も「なし」ではないですが、やっぱり素人ですので、完全に制作者の思い通りに動かすことは出来ません。基本はドキュメンタリーなんです。だだから「半分演技」って意識が大事かもしれませんね。お二人を少しずつ知り、制作者のセンスとミックスしてその個性を増幅させる。そんなドキュメンタリーとドラマの半分半分の魅力がウェディングの撮影にはあります。