「スライダー」ってご存知ですか?結婚式の映像制作では、スタビライザーやクレーンにつぐ撮影機材で、なんと言うか、最近の撮り方の流行でもあります。いや、流行ってなんだよ、そんなん無いと思っていますが。
スライダーって要するに、映画の「ドリー」と同じ効果を出すものですね。そうです、台車みたいのに三脚とカメラマンを乗せて、レールの上を動かすやつですね。
最近のカメラは小型なので、カメラのみを小さいレールの上に乗せてスムーズに横(縦)移動する事ができるんですね。これが映像の効果的には、「上品」でこうなんというか「壮大」さ、映像に大きな幅ができ、お気持ちの演出なんかもうまく表現できたりします。
で、私も「要らないんだけど」買ってみました。edelkrone SliderPLUS v2というやつを。
これ、普通のスライダーとは違い、2重構造になっていて、移動距離が2倍に長さが半分になっています。面白い事考える人がいるんですね。前から気になっていて、HPを見るとバージョンアップしたv2が出ていたんで買ってしまいました。発送元が何やらルーマニア?!どこからくるんだ?と思いましたが、商品はパッケージも機材自体もデザインがよく、ハイセンスです。
使ってみるといいですね〜。滑らかな動き、それに軽い!小さな三脚にこれとカメラ付けっぱなしでいいかもしれません。これは使える。
でも、自分の撮影スタイルからすると、できるだけ身軽がやっぱりいいんですよね。ドキュメント撮影なのでいつどのような撮影チャンスがあるからわかりません。スライダーを設定しているときに大切な「一瞬」を逃してしままうなんて最悪ですから。
で、やっぱり自分はいいかなと、すぐに手放しました(笑)ごめんなさい。
サンプルを見てもらうとわかると思うんだけど、だいぶ前から「スライダー」のような動きもしています。この機材なしでどうやってやるか?そう!「手ドリー」!!!いや、正式には何ていうか知りません(笑)
要するに、手でカメラを固定し、ゆっくりと横(なり縦)に直線的に動かします!
すごい乱暴ですが、これでも機材のセッティング、練習をくり繰り返せば、かなりスムーズに動かせるようになります。
この映像のちょうど30秒あたりのカット、新婦さんのヴェール越しの横移動ですが、これもそんな手ドリーです。これ、撮影しているとこを見るとめっちゃかっこわるいんです。ほぼ太極拳です。
ほんと、太極拳と呼吸や集中が似ているかも。
でもさすがに手なので、ブレは絶対に出ます。そこでどうしてもスムーズにしたい場合は後加工で「スタイビライズ」をかけます。今のスタビライズはひじょーに優秀で、びっくりするほど画像劣化無く動きをスムーズにしてくれます。色々検証してみると、Adobe Premiereの純正プラグインのスタビライズが一番優秀なようですが、残念ながら現在はPremiereを使っていませんので、Final Cut Pro Xの「手振れ補正」を使用しています。これもかなり優秀です。
もちろん、スライダーをセッティングして撮った方がクオリティは高いと思います。でもスライダーの映像って、そんなに使うもんじゃないし、逆にそんなに使ったら変ですよね。
ちょっと使いでこそ効果が出るのであれば、そこまで機材の運搬、セッティングに時間をかけ、本当の大切なシーンを逃がすのは意味が無い。なので、私はスライダーをウェディングでは使いません。(ステディカムなんかも同様!)
大切にするのは「ドキュメント」ですから。「きれいな絵」ばかりを追い求めて、気持ちを見つめることをおろそかにしてはいけないなと。
つく
はじめまして。企業映像の制作会社をやっている者です。
わたしもドキュメンタリーよりの人間なので
「「きれいな絵」ばかり追い求めて気持ちを見つめることをおろそかにしてはいけない」
というお言葉にとても共感しました。
と言いましても製品PR物の制作も多いので保有機材としてedelkrone SLIDER PLUS v2Mの導入を検討していて
こちらのページを拝見させていただいた次第です。
突然失礼いたしました。
石井 誠
コメントありがとうございます!そうですね、やはり確実に「いる」ときは「いり」ます。当たり前ですけどw
ただ現状、「この動きがあればかっこ良く見えるでしょ?」っていう映像が多くて、特機に作られる映像ってなんかのかなと。ご指摘のように「気持ち」第一ですよね。忘れないように。
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