先日の撮影終わり最寄りの駅まで歩いていると、前を歩くスーツの男性。スーツケースから三脚のヘッドがちょこんと出ています。それも民生用の三脚じゃなくて、いわゆるフネという業務用プレートが。
ちょうど二人で同じエレベーターの前に立っちゃったので、思わず声をかけてしまいました。「ビデオ撮影ですか?」我慢できなかったんですね。本当映像好きです。
いろいろ聞いてみると、なんとさっきの会場様で同じようにご結婚式の映像撮影をされていた業者の方でした。ちょいテンション上がって話していると、実は私のブログもよく読んでくれているとか!嬉しい。そんなことあるんだなと。
同じ方向の電車で色々とお話しさせて頂きました。そちらは会場提携の業者さん、こちらはフリーの業者。興味深々ですよ。最近の映像機器の流行りだとか、業者さんの制作の流れだとか。色々お聞きした内容で驚いたのが、業者さんの中でも撮影の特機(クレーンらやスタビライザーやらスライダーなんか)を必ず使わないといけないという「縛り」があるところがあるんだとか。
なるほど、そうやって商品を差別化して売っているんですね。他にも、やっぱり雛形みたいなものがあって、「まずはこのカット、このシーンはこの構図で」なんて細かくコンテのように決められているところもあるんだとか。
確かに、ご披露宴で流されるある映像業者さんの海外挙式の映像は、いつも一緒の構成ですよね。とか。
じゃあ、お客様の個性はどうするの?
その方の会社は、ある一定の経験を超えると比較的自由にさせてもらえるんだとか。
でも機材や撮り方に縛りがあったら、どうお客様それぞれの「個性」を映像として表現するんだろう。それはそれで挑戦しがいがありますよね。かなりハードルは高いですが。
うちの場合は、もちろん当日のお二人のご様子や、ゲストの方々のご様子から、撮影スタイルから構成まで全て変えます。撮影しながら、感じながら、構成をしていく感じです。でもその前に、まずお客様が「うちの映像の個性を気に入って」からご依頼を頂くこと。その時点で既にお客様の好み「個性」が一つ表現されているんですね。
もちろん、製作者の個性など持たず、透明のまま対象のカラーに染まるんだと言うカメラマンさんもいるでしょう。
でもうちは製作者の「個性」をまず出し、その独特なカラーでそれを好んで頂いたお客様の個性を表現する。という感じでしょうか。
製作者の個性×お客様の個性
透明にはなれないんですよ。それは隠しているに過ぎないんじゃないかと。であれば、製作者もはっきりと個性を出し、選んで頂く方法がベストなのかも。などと、同業のカメラマンさんと別れた後でも考えていました。