そろそろ今年も6月が終わります。いよいよ、暑く、パワーを感じられる7月ですね。今朝、玄関先で赤ちゃんカマキリを発見。そういえば、この季節、よくご結婚式の撮影中もいろいろな生き物を見つけます。でもお祝いの日、結婚式です。ちょっと立ち止まって、「縁起」をいうものも考えてしまいます。生き物にもいろいろあって、勝手に縁起の良し悪しを決められちゃっているので、そんな事も気にしているんんですよ。そんなお話。
蟷螂(カマキリ)
この季節よく目にしますが、俳句では秋の季語なんですね。日本では共食いのイメージがあって少し縁起が悪いと思われますが、あの卵から無数の赤ちゃんカマキリが生まれる光景から、子宝に恵まれる幸運の象徴と捉えることも。ギリシャ語でmantisは預言者という意味があるらしく、プレイングマンティス、手を合わせて祈っている姿に似ているところからそういった名前がついたそうです。こちらも、お二人の幸せを祝福してくれているようで、縁起がいいとも受け取れますよね。
蝉(セミ)
蝉もこの季節よく目にしますね。撮影中にその声が聞こえると、木の枝を探してしまいます。自然の音って、その日を思い起こさせる重要なキーです。蝉はその命が短いことからあまり縁起は良くないんじゃないかと思いますよね?でも、中国では「再生」と「復活」のシンボルとされているそう。土の中にいる期間と、その後の飛び立つギャップがドラマチックで、生命力を感じますよね。また、ヨーロッパでは「幸運の虫」と呼ばれているそう。こちらもあの生命力からでしょうか。
ところが、蝉の抜け殻については日本では良い印象があるようで、仏教では空蝉(うつせみ)といい、輪廻転生の象徴として、尊いものとして扱われます。そうですよね、子どもの頃、蝉の抜け殻を見つけたら「そっとしておこう」と無闇に取らずに放っておいたものです。苦労の末に新しいものへ生まれ変わる象徴と捉えることもできます。こちらも晴れの門出にふさわしい。
蛇(ヘビ)
なかなかいないですけど、この前の撮影中に出ました!ちょっと怖かったですがヘビはどういった縁起があるんでしょうか?よく白蛇は縁起がいいと言われますよね?では普通のヘビは?色はともかく、脱皮を繰り返すようすから生命力を象徴する生き物、また神の使いとも言われ、総じて縁起がいいそう。神様として祀る所もありますよね。風水でも「財」の象徴とか。
いや、日本の野山の風景でヘビを見たら、反射的に何か「神々しさ」を感じますよね。DNAに刷り込まれた何かを感じます。ジャングルで見たらどうかはわかりませんが。。。
「縁起が良いの悪いの」勝手に決められて生き物たちも迷惑なものです。でも、イメージするなら良い方だけを受け取りたいですね。その日、その時間だけの空間、そこには人間もいれば動物も、昆虫もいます。「性善説」ではないですが、そんな虫や動物たちもお二人をお祝いしてくれていると思っています。彼らも生まれながらに「善」であると。そんな「全てのものに受け入れられる時間」をいつもイメージし、撮影させて頂いています。
縁起についてはこんな本も面白いのでご参考に。