最近はご結婚式の前に撮影を行う「前撮り」を積極的に行わせて頂いております。そこではご結婚式当日のバタバタもなく、決まった進行表もなく、自由にお二人らしい映像制作に取り組むことができるんです。以前から「お二人らしさ」っていう事を大切に、追い求めているブーケアンドリールですが、本当にお二人らしい映像ってなんなんでしょう?と感じています。
制作させて頂くこちらは、撮影や表現に関するアイデアは色々ありますが、とてもパーソナルなストーリーを作っていくご結婚式というシーンでは、より深くお二人に迫っていく必要があると感じます。それはとても繊細な部分で、その深層に迫ったものでなければ、たとえ見栄えが良いアイデアでも「お二人らしさ」は表現できないんじゃないでしょうか?
外部の人間が、限られた制作期間のうちにその内面にどれだけ近づけるのか?という迷い。映像制作に関しては「素人」であるお二人、プロが提案するそのアイデアに「飲まれてしまう」というか、なすがままになってしまう、そういう危険性を感じながら、少しづつ近づいてゆく。
だから、ウェディングの映像制作に関しては、お二人の意見をもっと聞きたい。お二人と制作者が対等の立場になり、一緒に映像を作り上げていくというスタンスがすごく大切だと思うんです。1組1組それぞれに違う個性、それぞれに向き合い、丁寧にオリジナルを作り上げてゆく。これは小回りがきく個人の制作形態だから出来ることじゃないでしょうか。ストーリーのアイデアだったり、こっちの一方的な理想を押し付けるのではなくで、色々とご相談をしていく中から、お客様の方からポロっと思いもしなかった良いアイデアが出て来る。制作者に求められるのは、そんな貴重な瞬間を見逃さず、それを具体的に映像として実現できる柔軟性とアドリブ力。
そのアプローチはどんなものでもいいと思うんです。綿密なお打合せだったり、インタビューだったり。ラフなお付き合いだったり。できるだけ遠慮なくアイデア、ご希望をおしゃって頂きやすい環境を作る。そして、プロとして客観的に相応しくないと感じたものははっきりと伝える、良いものは補間するように育ててゆく。私たちが目指している素敵な映像とは、お二人との協同作業です。