さて今日は、お客さんのイメージを的確につかむということについて。ウェディングの前撮りとかですと、テレビやウェブCMのように対象がいわゆるますマスではなくて、新郎新婦、たったふたりなわけで、その「二人」を満足させるための映像を作る。
これってかなり特殊な例だと思うんですね。いわゆるクライアントは二人。もちろんそれを結婚式会場などの上映で見るゲストの皆さんも満足させるという目的はありますが、まず二人が満足しないと、それ以上の満足を追求するというステップに進めないと言う事情があります。
だからまずおふたりの希望を聴き、二人が満足し幸せになれる映像を目指す。
でもこれって少し前は正直少し違うことを考えていました。
「可能な限り自然な姿を、あるがままに」そしてその自然体の中からご本人でも気づかないようなご自身の美しさ(魅力)を映像として表現する。
確かにこれも真実を捉えるという点では、一つの方法かもしれません。でも最近思うことがあり、「やっぱりその視点っていうのは撮影者の視点を超えるって事はないんじゃないか?」
「撮影者目線の美しさのみを追求しているんじゃないか?」
クライアントは複数人ではなく個人、そしてその個人は製作者にはなりえない。そういう状況で他者がその個人の理想(好み)を完全に理解して、表現するということは不可能なことじゃないか?お客様だってそれぞれ、こだわりをお持ちだったり、ご自身の持ってるイメージがきちっと完成してる場合もあります。それが理想と言うならば、それは「真実」とは少し違うことを認める。
だから話を、聞き、相談し、理解を深める。お客様好みの美しさを追求する。それは、自身が作る映像が「作品」ではないということ。あくまでお客様のご満足を追求した「商品」でもあり得るということ。
そんなことを最近考え、個人(新郎新婦)のお客様をクライアントとする場合、たったひとつのアプローチに固執するのも問題があると、最近認識を改めようと思っているところです。
やっぱり根本にあるのは、「みんなが喜んでくれる映像を作ること」そのためには凝り固まった思想ではなく、あらゆるアプローチを試し、柔軟に対応できる柔らな思想が大切なんだなぁと感じています。